取引上、「覚書」というタイトルで文書を取り交わすことがよくあります。この「覚書」という体裁は、他に取引の基本となる契約書を締結した後でないと効力は発生しないものなのでしょうか。
合意事項を記載した書面について、タイトルを「契約書」とするか、「覚書」とするかによって法的な効力が変わることはありません。また締結にあたっても、「契約書」を作成した後、その修正や条項の追加という意味で「覚書」を作成することもできますし、単に「覚書」のみを作成して、当事者間の合意事項を全て記載するということも可能です。どちらも法的な効力に違いはありません。 もっとも「契約書」と「覚書」を別の書面としている場合で、客観的に別の合意事項と判断できる場合には、それぞれ独立して契約の解除が可能になります。この点はビジネス上メリットになる場合もあればデメリットになる場合もあるでしょう。