レンタルサーバー内のアダルトサイト:第三者が違法画像を掲載した場合の削除の要否

当社ではアダルト利用可能のレンタルサーバー事業を営んでいます。ある時匿名で当社宛に、当社のサーバー上にいわゆるモロ画像や児童ポルノをサーバーにアップされているとの連絡がありました。確認してみると当社のある顧客がアダルト系の画像掲示板を設置しており、その利用者がそのような画像を書き込んでいたようです。当社としてはどのような対応を取るべきでしょうか。またこういったことがないように定期的に顧客のサイトを確認した方が良いのでしょうか。

風営法(風俗営業法・風適法)の第31条の8第5項において、レンタルサーバー事業者等の自動公衆送信装置設置者は、サーバー内にわいせつ画像や児童ポルノが掲載されているのを発見したときには、その送信を防止するよう努力することが規定されています。 警察庁の解釈運用基準(下記参照)では、「わいせつ」とは刑法175条の「わいせつ」を指すとされていますので、アダルトサイト関連では、いわゆるモロ画像がこれにあたると判断して良いでしょう。また「児童ポルノ」は児童ポルノ法の「児童ポルノ」を言うとされていますので、18歳未満の者の裸等を撮影したもの(性別を問わない)が該当します。 上記の義務は条文上は努力義務に過ぎませんが、第31条の9第2項に改善勧告規定が定められていますので、誠実に遵守した方が望ましいでしょう。 実際の対応としては、レンタルサーバー事業者の立場から法的に可能な限度の措置を行うことになります。たとえば契約者に連絡をして修正するよう求めたり、契約(規約・約款)上可能であれば、利用停止を行ったりすることになります。 なお掲示板であれば契約者が書き込んだわけではありませんが、上記の対応は必要性は変わりません。 レンタルサーバー事業者が契約者のサイトを確認すること(スクリーニング・パトロール)は原則としては不要です。電気通信事業者は本来の法律の趣旨からすれば、通信の内容には関わらないことが求められています。電気通信事業法の3条で検閲の禁止が定められているのもその現れです。もっとも上記のように過去に違法な情報を送信したことがある事業者については、法的な義務ではありませんが、後々のトラブルを防ぐためにも、定期的に内容を確認した方が良いでしょう。内容のアップロードを許可制にしたりしない限りは、レンタルサーバー事業者が契約者のサーバー内容を見たとしても検閲に該当することはありません。 なお著作権侵害コンテンツの場合には違法なコンテンツの存在を認識しているにもかかわらず放置した場合に共犯として逮捕された事例があります。法的な理屈は猥褻画像でも同じですので注意が必要です。警察庁の解釈運用基準http://www.npa.go.jp/safetylife/kankyo/unyoukijun.pdf“””

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