読書記録・レビュー:DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2023年 11月号 特集「AIリスクにどう対処するか 企業に求められる倫理と責任」

テクノロジーの進歩がもたらす「倫理的悪夢」を回避せよ
→「言葉遊びで責任を果たしたと勘違いするな」という指摘は、痛いところを突かれたと考える経営者が多いのでは。以降の記述は陳腐な感じがした。

責任ある企業としてAIをどう活用すべきか
→「組織内の全ての情報をオープンなAPIで繋ぐ」という提案は、夢想的な感じがするけれども、企業の組織改革には劇的に効く気がするし、Amazonの実例があるのなら信じて見たい気がする。「学習データのドキュメンテーションを揃えておく」は、機械学習エンジニアからすると当たり前の話なんだけれど、経営層からすると不明確になりやすいのだろうか。データのサニタイズで差別を防止できるという発想は古いし現実を見ていない感じ。他の質問回答も月並みなので読むのを途中で断念した。

テック業界が大切にすべき価値観は何か
→マーガレット・オマラ「危険なのはAIではなく、AIに振り向けられる情熱とビジネス上の動機だ」。これは正鵠を突いていると思う。いいこと言う。
→他の著者はお決まり的な倫理の説法だった。

人にまつわるデータを倫理的に取り扱う方法
→わかりやすい。ただし個人情報保護法に基づいて実施すべき内容と被るので、途中までは法律を知っている人にとってはそれの再確認。AIとの関係でのチェックでいえば、その先のプライバシーを考慮するという観点との関係が重要。「準備」の項はAIとの関係が不明。高度なプロファイリング能力がプライバシー侵害となるかという点については、もっと深い議論を聞いてみたい。

人間とAIの相互理解が、社会に創造性と安全性をもたらす
→この雑誌の特性を踏まえ門外漢の経営者さんに技術的な部分を解説する内容。その後の「AIに世界を理解させる」という話はいきなり観念的になるので、私には理解ができなかった。

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