BSDライセンスが適用されたソフトウェアを商用利用する場合の注意点を教えてください。またMITライセンスとの違いも教えてください。
BSDライセンスの趣旨は、①イニシャルコントリビュータの名義を示し、②関係者の免責を確実にする限りにおいては、適用対象ソフトウェアの制限のない利用を認めようというものです。そのため、名義と免責事項については、最終使用者が使用にあたって確認しようと思えば確認しうる状態となっている必要があります。(最終使用者が実際に確認するかどうか問いません)。BSDライセンスのライセンス条件の第2項で、バイナリ配布の際にドキュメントに、ライセンス条件と免責事項を記載するよう要求しているのもその趣旨と言えます。 BSDライセンスが適用されたソフトウェアを組み込んだソフトウェアを頒布する場合、何らかのドキュメント(最終顧客が読もうと思えば特別、格段の作業を要することなく閲覧できる状態のもの)にBSDライセンスを記載していただく必要があります。これをしない場合には、頒布者がBSDライセンス違反を犯したこととなり、著作権法における複製権を侵害することになります。 最近多い表示のしかたとしては、配布の際にBSDライセンスを記載した紙片を添えたり、マニュアルの扉裏の部分に記載したりするという形です。 なお初期のBSDライセンスでは、当該ソフトウェアの機能に言及する広告にもライセンス文を挿入することを要求しているものがありますので注意が必要です。 MITライセンスは、BSDライセンスと似通ってはいますが、若干構成が異なるライセンスです。自由(無制限)な利用の条件として、ライセンス文を当該ソフトウェアの全ての構成物(バイナリを除く)に表示することを要求しています。ポイントは、①当該ソフトウェアの構成物については全て(バイナリ以外)に表示をすることが要求されているが(BSDライセンスであればどれかでよい)、②当該ソフトウェアを利用する側のマテリアルへの表示は、明示的には要求していない点です。もっともライセンスの趣旨(免責)から言えば、ライセンスの表示はBSDライセンスと同様の形態で行う方が望ましいと思われます。 またソフトウェアごとに条項が若干異なるケースがあり、当該ソフトウェアの全ての複製物か、「または」、主要部分にライセンス文を表示すれば良いとしているものもあります。些細なファイルにまで表示しなくても構わないという趣旨でしょう。