ご指摘の通り、弁護士の顧問料は安くは無いと思います。当職の最低価格は月額3万円ですから、予算に余裕が無い場合には、躊躇せざるを得ないことは十分に理解できます。特に企業規模が大きくない場合には、直接の利益につながらない費用ですから、支出としては重いものになっていると思います。
ただ弁護士としても、何時どんな相談が来ても対応する、その時に都度見積を出さずにすぐに対応するとなると、これぐらいの枠を見ておかないと、経営的に難しいというのが実情です。特に顧問弁護士として名前を外部に公開する場合には、顧問先企業で無く直接弁護士に連絡がある場合もあるので、費用のマージンを見ておかないといけません。
ネットで調べたところ、顧問契約の費用を抑えている法律事務所の契約条件は、基本料金は「顧問弁護士」という名前代で、相談料は別途となっているところが多いようでした。これでは「すぐに相談できる」という趣旨に反します。また当職の考えとしては、「顧問弁護士」という看板のみに値札を付けて売ることは、弁護士に対する信頼を築いてきた先達の先生方の努力の上にあぐらをかくようなものに思えます。また実際、その弁護士の顧問料の価格とその価格に対応するサービスは公開されているわけですから、「3980円で付けている弁護士だ」と世の中に公表する事になります。紛争予防上その契約にどれほどの意味があるのか疑問です。
一方、地域密着型の弁護士さんの中には、格安な顧問料で且つ相談も無制限という方もいらっしゃるようです。この形であれば弁護士の敷居も下がると思いますので、経営努力を惜しまない姿勢には頭が下がります。私の経営体制ではこういった契約条件の設定は難しいのですが、一方で、ベンチャー企業に対する割引や、専門性を向上させて相談所要時間を削減させることで、結果的に弁護士費用を抑えるよう努力したいと考えています。