マイナンバー制度が導入されると話題ですが、どうしてわざわざ新しい制度を導入する必要があるのでしょうか。
政府からは色々な制定理由が述べられていますが、結局は「行政の効率化」に集約されるでしょう。税・社会保障の分野において、国民の情報は各省庁が分散して管理するデータベースに格納されています。もっともあるデータベースにおける特定の個人が、別のデータベース上のどの人物であるのかは、現状では機械的判定することができず、人手を頼るしかありません。そうなると、例えば、大量の個人の所得を正確に把握することは事実上困難ですし、全ての国民を本来受けうる社会保障を受けられているかの確認も困難です。また現状では必要に応じてその照合を人手で行っている訳ですが、余計な人手がかかっているということでもあります。そこで個人に一意性のある番号を付与して、機械的に個人の情報を検索・名寄せ等ができるようになれば、現在の非効率な作業を廃し、確実に行政事務が遂行できるようになります。
政府からは個人のメリットも強調されているようですが、実際の所個人にはそれほどメリットは無く、行政コストの低減による間接的なメリットに止まると考えています。